サバオ、二週間の試練。
2009年、8月の7日。
実父が倒れ、翌日帰らぬ人となった。
人生最大の分岐点となったこの日から・・・
完全介護を要する母を1人実家に残しておけず、我が家には夫が毎夜遅くに戻り、猫たちの世話をし、また朝早くから猫たちのお世話をして出勤、私の実家を経由して夜遅くに我が家へ、という生活が続き、かわいい我が家のニャンズやサバオと出会えない日々が続いていた。
うちの子たちに会いたい~~!!
静かな山の家に帰りたい~~!!
夫にサバオのことを毎日訊いた。
今日もみない。
今日もきてない。
ご飯は減っているけどたぶんカラスが真っ先に食べているようだ。
そんな話を聞けば聞くほどいてもたってもいられないけれど、母ももちろん放っておけない。
私の疲れが限界になったころ、介護の必要な母を数時間だけ弟にまかせて、二週間ぶりに昼の日中に我が家へ夫と戻ることができた。
車で我が家に戻る道中、もう夏は終わりに向かっていて、ススキが穂をなびかせている。
あっという間の二週間。 これほど我が家に戻ることが幸せに思えた日はなかった、その日。
車をつけると・・・
サバオがやせこけて玄関で、待っていた・・・。
にゃー!と、鳴いて、足元に擦り寄ってきた。
サバオ!!いた!!!
「ごめんねごめんねー!」
毎日ご飯を半年以上もあげていたのに、急に環境を変えてしまって!謝っても謝りきれない。
ほっぺがまた5月に逆戻りだ・・・
おなか一杯にご飯を食べて、寝るサバオ。
本当のことを言うと、父が亡くなったことで頭は真っ白、でも自分の家の子と同じくらいにごはんにありつけていないと夫にきいていたサバオが気にかかって、頭がパンクしそうだった。父の死後、悲しむ時間は1秒たりとてなく母の介護にあたっていた毎日、サバオが心配なの、とちょっと言葉に出すと、母に
「野良猫のことなんて今考えているなんてひどい娘」
と呆れられたが一度面倒を見始めた子は、母が思っているステージにすでにいない。
一年かけて慣れさせて、サバオの今後をじっくりと決めるつもりだったのだ。
親の死はいつかはやってくる。
でも父はまだ65歳だった。
予想だにせず、別れと生活基盤の変化は唐突にやってくる・・・。
サバオは他にも何箇所かご飯をもらっている家が二件ほどあるようなので、戻ったら愛想付かしてもう我が家には来ないかもしれないと、思ってたのに、一回りやせてしまって、いない間にもお昼に我が家を巡回していたのかと思うと胸がつまって涙が出た。
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相変わらず鼻に怪我をしている。真正面から戦った証の、サバオの自慢傷なのかも。
昨年暮れにあったときはピカピカだった四本の牙が一本折れていた。
毛艶はよくなれど、どんどん外傷は増える。でも野良猫でボス猫クラスだから、お尻には傷はつかない。 サバオが毎朝毎昼通ってくる我が家のご飯はたぶん、他のおうちよりおいしくて栄養満点のはず。
さて、これからどうしよう。
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